Last update:2016,Mar,12

キューバ独立への道

キューバ共和国国旗

1902年にスペインから独立した際に定められた国旗
3本の青い線は、3地域に分かれていたキューバを
赤い三角形は独立のために流された血を
白い星は、祖国の理想の高さと純粋さを意味している

big5
「みなさんこんにちは。管理人のbig5です。このコーナーでは、『キューバ独立への道』と題しまして、日本人にはあまり馴染みのないキューバの歴史を学んでいきたいと思います。私自身も、キューバに関してはまだまだ勉強すべきことが多いのですが、私がこれまで学んできたことを、なるべくわかりやすい形で皆さんにお伝えできれば嬉しいです。よろしくお願いします。さて、まずは参加者の皆さまから、簡単に自己紹介していただけますか?」
高校生A
「高校3年生のAです。センター試験の地理歴史を世界史Bで受けるので勉強しています。なので、受験に出てくるところを覚えたいと思っています。ついでに、おもしろエピソードなんかも教えてもらえると、覚えやすくなるので、お願いしたいです。」
名もなきOL
「ごく普通のOLです。歴史はたいして興味が無いのですが、会社で歴史ウンチクを語る面倒な上司がいたり、たまに出てくる歴史用語・事件(?)みたいな、そういうところがわからないと、話についていけないこともあるので、最低限のことは知っておきたいと思っています。」
日本史好きおじさん
「日本史が大好きなおじさんです。これまでは日本史一本で来ましたが、最近になって外国の歴史も面白いと思うようになりました。よろしくお願いいたします。」
big5
「ありがとうございます。みなさんの期待にすべて応えられるかどうかはわかりませんが、一生懸命がんばります。あと、質問がありましたら遠慮しないで随時お願いいたします。さて、それでは始めましょう。まず、キューバの位置から見てみましょう。」

big5
「まず、キューバは日本と同じように島国なんですね。キューバ島を取り囲んでいるのがカリブ海です。「カリブの海賊」の舞台ですね。カリブ海にはキューバ島以外にも多くの島がありますが、キューバ島はそれらの島々の中でも最大の島です。面積はおよそ10万5000平方Kmで、日本の北海道(面積8万3455平方Km)よりも一回り二回り大きく、そして横に細長い島です。世界地図を見てみると、アメリカ合衆国のフロリダ半島がたいへん近いことがわかります。他のカリブ海の島国や中南米諸国よりも、地理的にアメリカにたいへん近いことがよくわかります。この距離感を例えて言うなら、福岡と韓国の釜山くらいでしょうか。」
日本史好きおじさん
「それはだいぶ近いですね。アメリカとキューバでの交流も盛んなんでしょうね。」
big5
「それが決してそうではないんです。理由は、後で詳しく出てきます。
さて、キューバは小さな島国でありながら、たびたび国際ニュースを賑わせています。「キューバ危機」という事件の名前は、おそらく多くの人が一度は聞いたことがあると思います。現代史の中でもひときわ注目を集める事件として有名です。キューバがたびたび国際社会から注目を浴びる理由の一つは、
1.キューバが社会主義国であること
2.アメリカにとても近いこと
の2つの要素が大きいと思われます。
続いて、キューバの国家概要データを見ていきましょう。」

正式名称

キューバ共和国 Republic of Cuba

面積

11万0861平方Km(本州の約半分)
最大のキューバ島の他、約1600の小島がある。国土の約60%は低地 or 丘陵
最高の山はトゥルキーノ山(2005m)

気候

熱帯性海洋気候 平均気温は夏27°冬22°乾季(1月〜4月)と雨季(5月〜10月)があり、9月〜10月はハリケーンが多い
冬以外は日中30°を超えるため暑いが、貿易風の影響で比較的しのぎやすい
なお、朝晩は気温が大きく下がる

人口1132万8000人(2004年) 1127万人(2007年)
首都ハバナ Havana キューバでは「ラ・アバーナ」という (人口218万人 2005年)
人種ムラート(白人と黒人の間に生まれた子):51% スペイン系白人:37% 黒人:11%
宗教大部分がカトリック サンテリア(カトリックとアフリカ宗教が交じった宗教)もある
言語スペイン語
通貨キューバ・ペソ Cuban Peso
産業観光業(1990年代から注力) 農業(砂糖、タバコ、柑橘類、コーヒー) 鉱業(ニッケル、石油) 医薬品 水産業など
貿易

(2003年)
輸出総額:15億ドル 輸入総額:30億ドル
主な輸出品:砂糖 ニッケル 魚介類 コーヒー タバコ
主な輸入品:燃料 工業製品 化学品 機械 食糧など
主な輸出相手国:オランダ カナダ ロシア スペイン 中国など
主な輸入相手国:スペイン イタリア ベネズエラ 中国 カナダなど
日本への輸出総額:33億円 砂糖 魚介類 コーヒー ラム酒 タバコ 果汁など
日本からの輸入総額:69億円 医療機器 工学・電気機械 輸送機械など

GDP441億ドル (2006年)
平均寿命男:74.6歳 女:79.2歳
識字率96.4%
教育

小学校6年 中学校3年(義務教育)
高校3年 大学は主に5年 教育費はすべて無料で、希望すれば誰でも大学に行ける

政治

議会は一院制 人民権力全国議会の議員609人が選挙で選出される
選挙権は16歳から、被選挙権は18歳から(2005年時点)

政党キューバ共産党による一党支配
軍事陸軍:3万5000 海軍:3000 空軍:8000 総兵力4万6000 徴兵制

big5
「キューバという国家の概観を、日本と比較することで見てみると、おおよそ以下のことが言えます。
@面積は日本のおよそ3分の1、人口は10分の1
A人口の首都集中比率は両方とも10%程度(日本は人口およそ1億2000万のうち、東京都在住はおよそ1,200万人)
BGDPは日本のわずか1%(日本の2007年GDPは4兆3460億ドル)
C平均寿命は日本よりもやや短いぐらい
特に、BとCはキューバの特徴がよく出ていると思います。島国でほぼ孤立しており、しかも社会主義のキューバ経済の規模は非常に小さいはずなので、日本の1%程度というのもうなずける数字です。また、Cの平均寿命が長い理由の一つは、キューバでは無料で医療サービスを受けられることが影響していると思います。貧しい国では、多くの国民が満足に医療を受けることができず、平均寿命は短くなることが多いのですが、キューバはGDPの小ささに反して、長い平均寿命を実現しているのが特徴と言えます。この辺りは、建国者であるカストロの意思がしっかりと反映されているデータだと思いますね。
さて、キューバの概要はこれくらいにしておいて、次からは本編となるキューバの歴史を見ていきましょう。」

キューバ独立への道 略年表                
1868年

十年戦争 開戦
1878年

十年戦争 終結
1956年

キューバ革命戦争 開戦
1959年
1月1日キューバ革命戦争 完結
1961年
4月17日ピッグス湾侵攻事件
1962年
10月キューバ危機
2008年
2月カストロが国家評議会議長兼閣僚評議会議長を辞任。弟のラウルが後継者となる
2015年
7月1日アメリカとキューバが54年ぶりに国交回復することで合意

1.植民地キューバと最初の独立戦争
2.米西戦争とアメリカ従属
3.キューバ革命(前篇)
4.キューバ革命(後篇)
5.キューバ危機
6.現在のキューバへ
7.キューバの現代史 現在進行形

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